福井県
地域の食を活かした商品・イベント・場づくりの企画から運営まで、
目的や目標を明確にしたプロジェクトとしてマネジメントを行っています。
デジタルマーケティングを強みとし、30–40代をターゲットとした
“日常に溶け込む地域体験”の設計を得意としています。
東京の売場で学び、新商品完成と販路開拓までつなげる伴走型プログラム
令和7年度は、前年度に好評を得た「新商品開発支援ツアー」を発展させ、首都圏視察、専門家による継続支援、食品表示の確認、バイヤー商談までを一体化した「新商品開発プログラム」を実施しました。
本プログラムの目的は、福井県内の食品事業者が首都圏の小売店舗を実際に視察し、市場性のある新商品開発の着想を得ることです。
さらに、視察で得た気づきをアイデアのまま終わらせず、商品コンセプト、仕様、価格、パッケージ、食品表示、販売チャネルまで具体化。専門家の伴走支援を受けながら、首都圏で販売できる商品の完成を目指しました。
令和7年度は、販売チャネルの違いに応じた二つの視察コースを設定しました。
・百貨店・高級スーパーマーケットコース
・地域産品セレクトショップコース
視察後には、デザイン、品質管理、マーケティング、調理・商品開発の専門家によるメンタリングを実施。
最終段階では、首都圏の小売バイヤーを招いた商談会を開催し、「商品をつくる」だけでなく、「市場へ届ける」までを見据えた年間プログラムとして設計しました。
視察・学習・開発・商談を一つにつないだ年間プログラム
本プログラムでは、福井県産の原材料や地域資源を活かしながら、百貨店、高級スーパーマーケット、セレクトショップなど、首都圏の販売チャネルに対応できる商品の開発を支援しました。
主な実施プロセスは次のとおりです。
令和7年6月、各1泊2日の日程で二つの視察ツアーを開催しました。
実際の売場を歩きながら、商品構成、価格帯、パッケージデザイン、陳列方法、販売導線などを確認。販売チャネルによって求められる商品価値や見せ方がどのように異なるのかを、現場で学びました。
ふくい南青山291「Connect291」において、商品開発と販路開拓に関するセミナーを実施しました。
地域商品卸の専門家による基礎講座に加え、各コースの特性に応じて、首都圏のバイヤーやセレクトショップのプロデューサーが登壇。
商品の選定基準、価格設定、売場で求められるパッケージ、地域産品のブランド化など、実際の流通現場に基づいた知見を共有しました。
百貨店や高級スーパーマーケットを中心に視察し、高付加価値商品に求められる品質、価格、パッケージ、売場づくりについて学びました。
セミナーでは、バイヤーが商品選定時に確認するポイントや、首都圏市場で取り扱いやすい商品仕様、販売チャネルに合った商品提案について理解を深めました。
地域産品を取り扱うセレクトショップや専門店を視察し、商品の背景にある地域文化、生産者の思い、開発ストーリーを価値として伝える方法を学びました。
地域性だけに頼るのではなく、「誰に、どのような場面で選ばれる商品なのか」を明確にし、現代の暮らしに合う形で提案することの重要性を共有しました。
専門家チームによる、新商品完成までの継続的なメンタリング
ツアー終了後は、参加事業者の開発状況を毎月確認し、それぞれの課題に応じた専門家を配置しました。
支援分野は、次の5領域です。
・商品コンセプトと事業全体の整理
・調理、商品仕様の検討
・マーケティングと販売チャネルの設計
・パッケージデザイン
・食品表示、品質管理
オンライン講座による知識提供と個別メンタリングを組み合わせ、事業者が自ら判断しながら商品開発を進められる体制を構築しました。
新商品開発に必要な知識を体系的に学ぶため、全8回のオンライン講座を実施しました。
主なテーマは次のとおりです。
・福井県アンテナショップの売れ筋商品
・ヒット商品のつくり方
・食品表示の基礎
・商品コンセプトの設計
・マーチャンダイジング
・VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)
・商品デザインの考え方
・お客様の心に届くデザイン
商品の企画段階から売場での見せ方までを一貫して学ぶことで、参加事業者が「つくりたい商品」だけでなく、「市場で選ばれる商品」を考えられるようになることを重視しました。
福井の素材と文化を、首都圏で選ばれる商品へ
メンタリングでは、商品コンセプト、ターゲット、商品仕様、価格、パッケージ、販売チャネルを事業者ごとに整理しました。
また、商品デザインの完成後には、食品表示法、景品表示法、薬機法、東京都条例などを踏まえた表示確認を実施。百貨店や高級スーパーマーケットの品質管理基準にも対応できる商品へとブラッシュアップしました。
令和7年度のプログラムからは、福井県産の素材や地域の食文化を活かした16商品が開発・改良されました。
主な商品には、次のようなものがあります。
・約20年ぶりにリニューアルした「三年子花らっきょ」
・独自の焙煎技術を活かした「福焙玄米」
・福井の豆入り番茶を現代向けに提案した「越前まめ茶」
・福井県産小麦と鯖江産米粉を使用した「福まん 羽二重あんバター」
・和菓子とチョコレートを融合した「生ちょこ羊羹」
・福井県産完熟梅を使用した「福井の蜜梅クッキー」
・へしこの熟成糠を有効活用した「ぬかどこ5号」
・越前蕎麦の風味を活かしたチョコレートバー
・梅酢を活用した調味料「梅しずく」「あん・ばい」
・地産地消の食材を使ったクラフトソーセージ
伝統的な商品の再編集から、未利用資源を活用したアップサイクル商品、地域の食文化を現代向けに提案する商品まで、多様な新商品が生まれました。
開発した商品を、実際の流通関係者へ提案
令和8年1月22日、ふくい南青山291「Connect291」において、首都圏バイヤー商談会を開催しました。
参加事業者が開発した新商品の情報を事前に整理し、首都圏の小売店バイヤーへ共有。当日は、地域商品卸の良品工房の協力のもと、商品の試食、評価、商談を実施しました。
商談会には、百貨店、食品セレクトショップ、食品スーパー、地域産品を扱う小売事業者など、首都圏の小売事業者5社が参加し、合計6件の商談が行われました。
バイヤーからは、次のような評価や助言が寄せられました。
・福井県産原料を活かした商品には地域性と魅力がある
・商品の背景や開発ストーリーを伝えることで訴求力が高まる
・首都圏ではパッケージデザインと価格設定が重要になる
・保存性や物流条件も販路拡大を左右する
・販売チャネルに合わせた容量や商品仕様の調整が必要
これらの意見を参加事業者へフィードバックし、今後の商品改良と販路開拓につなげました。
「視察で学ぶ」から「商品を完成させ、市場へ提案する」プログラムへ
令和7年度は、前年度に実施した視察ツアーを、年間を通じた新商品開発・販路開拓プログラムへと発展させました。
本プログラムを通じて、次の成果が得られました。
・二つの視察コースを通じ、販売チャネルごとの市場特性を理解
・全8回のオンライン講座により、商品開発から売場づくりまでを体系的に学習
・複数分野の専門家による個別支援で、事業者ごとの課題を具体化
・商品コンセプト、パッケージ、価格、食品表示を総合的に改善
・福井県の素材や食文化を活かした16商品の開発・改良を実現
・首都圏の小売事業者5社を招き、合計6件の商談機会を創出
・バイヤーの評価から、商品改良と販路開拓に向けた具体的な方向性を獲得
単に「東京の売場を見る」だけではなく、現場で得た気づきを自社の商品へ落とし込み、専門家とともに形にし、最終的にバイヤーへ提案するところまでを一つの流れとして実施できました。
商品構成や陳列、パッケージ、価格帯を実際の売場で確認することで、自社商品との違いや改善すべき点が具体的に分かりました。
商品の味や品質だけでなく、コンセプト、価格、内容量、保存性、物流条件まで含めて商品が評価されることを学びました。
商品の特徴を短時間で伝えるパッケージの役割や、販売する場所とターゲットに合わせて価格を設計する必要性を実感しました。
異なる業種や商品を扱う参加者との意見交換を通じ、自分たちだけでは気づかなかった新しい視点や商品開発のヒントを得ることができました。
福井で生まれた商品を、継続的に市場へ届けるために
新商品は、完成した時点がゴールではありません。
実際の売場や商談で得た評価をもとに、価格、容量、パッケージ、保存性、物流、販売方法などを継続的に見直していく必要があります。
今後は、商談後のフォローアップを行うとともに、ふくい南青山291および、ふくい食の國291での商品展示・販売などを通じ、消費者の反応を確認しながら販路開拓を進めていきます。
KIBOでは今後も、視察・学習・開発・実践を一体化した伴走型プログラムを通じて、地域事業者が市場と向き合い、自ら「売れる商品」を育てていくための仕組みづくりに取り組んでまいります。