島根県
地域の食材を活かした、シンプルで美味しいメニュー開発を得意とする料理人。
提供現場のオペレーションまで踏み込んだ、再現性と持続性のあるレシピ設計を強みとし、
メニュー企画・開発からスタッフへの落とし込み、品質を維持するための現場マネジメントまで一貫して対応。
現場と経営、双方の視点を踏まえた「実行できるメニューづくり」を行っている。
日比谷しまね館にて、島根県の食文化を象徴する「お雑煮」を期間限定で提供。
これまで提供していたぜんざいから転換し、地域の実際の正月文化へと再編集した。
上品な出汁に丸餅を合わせ、黒ばら海苔の香りを重ねることで、島根の風土と食習慣を一杯に集約。
都市空間において、地域の時間と文化を体験できる設計とした。
開催概要:
提供期間:2026年1月2日(金)〜15日(木)
提供時間:11:00〜20:00(L.O.19:00)
提供商品:島根県のお雑煮(税込800円)
正月に提供される「ぜんざい」は、観光的にはわかりやすいですが、
それは必ずしも地域の日常ではないです。
島根において、正月の食卓に並ぶのは雑煮です。
出汁を引き、餅を煮る。
そこにもち海苔の香りが重なる。
この当たり前の文化は、都市に持ち込まれる過程で失われていました。
本企画は、そのズレを是正する試みです。
観光向けの表象ではなく、実際の生活文化を提示しました。
「何を売るか」ではなく、「何を伝えるか」を起点に再設計しました。
島根の雑煮を単に再現するのではなく、
都市空間で成立する形に構造化しました。
出汁、餅、海苔。
シンプルな構成だからこそ、要素の精度が問われました。
味の強さではなく、重なり。
派手さではなく、余韻。
地域文化の本質を削ぎ落とし、体験として再構築しました。
・料理設計
丁寧に引いた出汁を基軸に、丸餅の食感と黒ばら海苔の香りを重ねる。
香りが立ち上がる順序まで設計し、飲む体験を時間化した。
・文化設計
“正月に食べるもの”という文脈をそのまま提示。
特別な料理ではなく、日常の延長としての価値を可視化した。
・空間設計
日比谷という都市の中心において、地方の時間を持ち込む。
混雑そのものが、文化への関心の可視化となった。
・関係性設計
来店者は単なる消費者ではない。
地域文化の受け手として、一杯の中で島根と接続する。
KIBOは本企画において、以下を担いました。
ブランド価値
地域のリアルな食文化を提示する拠点としての信頼性が向上。
観光施設から文化発信拠点へと位置づけを更新した。
顧客体験
単なる飲食ではなく、地域の正月を体験する機会を創出。
味覚を通じた文化理解が促進された。
関係性構築
来店者と地域との距離を縮める接点を形成。
「また来たい」ではなく「現地に行きたい」へと意識が変化した。
今後の展開
地域の季節文化を軸にしたメニュー展開の可能性を提示。
単発イベントではなく、年間設計への拡張が可能となった。