福井県
地域の食材を活かした、シンプルで美味しいメニュー開発を得意とする料理人。
提供現場のオペレーションまで踏み込んだ、再現性と持続性のあるレシピ設計を強みとし、
メニュー企画・開発からスタッフへの落とし込み、品質を維持するための現場マネジメントまで一貫して対応。
現場と経営、双方の視点を踏まえた「実行できるメニューづくり」を行っている。
KIBOは、永平寺の地で200年以上の歴史を紡ぐ老舗酒蔵
𠮷田酒造場 とともに、蔵元・杜氏を迎えて開催する体験型イベント
「酒蔵めぐりディナー − 𠮷田酒造場編 −」の企画・運営を行いました。
本企画では、女性杜氏・𠮷田真子氏が醸す
やさしく、透明感のある酒質を軸に、
日本酒を「知識」ではなく、「感覚と物語」で理解する体験として設計しています。
𠮷田酒造場が大切にしているのは、「永平寺テロワール」という考え方。
水、米、土、風土、そして人の手仕事。
それらが重なり合うことで生まれる、凛として華やかで、どこまでもやさしい日本酒です。
KIBOはこの思想を、単なる情報として伝えるのではなく、
造り手の言葉、料理との関係性、場の空気を通して、
都市にいながら体感できる形へと再編集しました。
本ディナーの核となるのは、
「料理に酒を合わせる」のではなく、「酒に料理を合わせる」という視点。
「永平寺白龍」を中心とした6種の日本酒を主役に据え、それぞれが持つ
・やわらかな旨み
・繊細な香り
・余韻の長さ
に寄り添うよう、料理を一皿ずつ設計しました。
酒と料理が競い合うのではなく、
互いの輪郭をそっと引き立て合うことで、
女性杜氏ならではの美意識が、静かに立ち上がる構成としています。
当日は、𠮷田酒造場の蔵元・杜氏が登壇。
酒造りへの想い、永平寺という土地が酒に与える影響を、
参加者との対話を交えながら語っていただきました。
「なぜこの酒は、こんなにもやさしいのか」
「どんな料理と出会うと、最も美しくなるのか」
造り手自身の言葉を通すことで、
一杯の日本酒が、土地と人の記憶を宿した存在へと変わっていく。
その変化を、参加者自身が感じ取る時間を丁寧につくっています。
料理を手がけたのは、KIBOエグゼクティブシェフ秋山直宏。
フレンチで培った商品開発・体験設計の視点を活かし、
今回は「酒の美しさを最大限に引き出すこと」を最優先に、
6品の特別コースを創作しました。
海の幸や発酵を軸に、香り・温度・食感の重なりまで計算された一皿一皿が、
日本酒の余韻を静かに広げていきます。
KIBOは本企画において、以下を担いました。
単発の食事会ではなく、
酒蔵の価値を都市で継続的に伝えていくためのモデルとして設計しています。