事例紹介Works

株式会社KIBO -きぼう- > WORKS > 地域ブランディング > 福井の冬を味わう、特別なひととき「水羊羹講座」企画・運営

福井県

福井の冬を味わう、特別なひととき「水羊羹講座」企画・運営

2025.11.08

PROFILE

前田 佳代子

海外で培った食文化理解とホスピタリティを基盤に、高付加価値食品の企画・流通・販売を一貫して手がけてきた。
米国のデリカテッセンでの実務経験と、高級食品小売業におけるバイヤー・マーケティング・プランナーとしての経験を活かし、商品開発から市場設計、ブランド構築までを立体的に捉えることができる。
現場感覚とマーケット視点を併せ持ち、実行可能性の高い事業推進と価値づくりを支えることを強みとする。

前田佳代子

福井の冬文化を、「食べ比べ」でひもとく体験へ

KIBOは、福井の冬の風物詩である水羊羹をテーマにした体験型講座
「水羊羹講座」 を企画・運営しました。


福井では、水羊羹は「お正月や冬に食べる家庭の味」。
店ごと、地域ごとに甘さ・食感・口どけが異なり、
同じ水羊羹でありながら、多様な個性が存在します。


本講座では、その違いを知識として学ぶだけでなく、
見て・食べて・比べることで理解する体験として再構成しました。


企画背景|「知っているつもり」の郷土菓子を、あらためて味わう

水羊羹は、福井ではあまりに身近な存在であるがゆえに、
「なぜ冬に食べるのか」「何が違うのか」が、
改めて語られる機会は決して多くありません。


KIBOは、



  • 歴史や文化的背景を知る

  • 作り方を目で見て理解する

  • 複数を食べ比べ、自分の感覚で言語化する


という3つのステップを通じて、
福井の食文化を“自分の言葉で語れる体験”へと変換しました。


講座設計|知る・見る・食べる、3ステップの体験構造

STEP1|水羊羹の基礎知識


福井における水羊羹の歴史、
「でっち羊かん」と呼ばれる背景、
なぜ冬に食べる文化が根づいたのかを丁寧に解説。


STEP2|水羊羹の作り方(デモンストレーション)


実演を通して、
材料、火入れ、冷やし方など、
食感や口どけを左右する要素を視覚的に理解。


STEP3|食べ比べと水羊羹マッピング


福井県内8事業者の水羊羹をテイスティング。
甘さ・コク・なめらかさ・後味といった軸で
「水羊羹マッピング」 を作成し、
自分自身の“推し水羊羹”を見つける体験を行いました。


体験のポイント|正解を教えない、感覚を育てる設計

本講座でKIBOが重視したのは、
「どれが一番おいしいか」を決めることではありません。



  • 自分はどんな甘さが好きか

  • どんな口どけに心地よさを感じるか

  • なぜそう感じたのか


を言葉にすることで、味覚そのものをアップデートする時間を設計しました。


これは、日本酒やクラフトビール講座とも共通する、KIBOの体験設計の核となる考え方です。


会場|東京で福井の冬を体感する

会場は、福井の食文化を発信する拠点
ふくい南青山291 内 Cultive291(Connect291 コワーキングエリア)


首都圏にいながら、「福井の冬」をテーマにした味覚体験ができる場として、
少人数制(各回12名)で、丁寧な進行を行いました。


KIBOの役割|企画・設計・運営を一貫して担当

KIBOは本企画において、以下を一貫して担当しました。



  • 講座コンセプト設計

  • 体験プログラム構築(3ステップ設計)

  • テイスティング設計・比較軸の設計

  • 会場設営・進行・運営

  • 参加者体験全体のディレクション


単なる試食イベントではなく、
地域文化を「学びと体験」として再編集する講座として設計しています。


成果と価値


  • 福井の郷土菓子を、嗜好品ではなく「文化」として体験化
    水羊羹を単なる甘味として消費するのではなく、
    なぜ冬に食べるのか/なぜ店ごとに違うのか といった背景を含めて提示することで、
    福井の冬文化を立体的に理解できる体験を実現した。

  • 参加者の「味覚の解像度」を高める体験設計を確立
    正解や優劣を提示せず、比較・言語化・マッピングを通じて
    「自分は何をおいしいと感じているのか」を自覚するプロセスを提供。
    食を“受け取るもの”から“理解し、選べるもの”へと転換する体験となった。

  • 8事業者の水羊羹を横断的に提示することで、地域全体の価値を底上げ
    特定の商品を売るのではなく、
    複数事業者を並列で紹介する設計により、
    「水羊羹=福井」という集合的なブランド認識を醸成。
    事業者間の序列化を避けつつ、地域文化としての厚みを伝えることに成功した。

  • 「食べ比べ × マッピング」という汎用性の高い講座モデルを確立
    本講座で用いた構造は、
    日本酒・クラフトビール・和菓子・発酵食品など、
    他分野へ横展開可能な再現性の高いフォーマットとなった。
    KIBO独自の“学びを伴う食体験”としての資産を蓄積。

  • 都市部における「地域文化の入口」としての役割を実証
    首都圏にいながら福井の冬文化を体感できる場をつくることで、
    観光・物産・学びへとつながる関心の導線を創出。
    アンテナショップを単なる販売拠点ではなく、
    文化理解の起点として機能させる実践事例となった。


© KIBO Co.,Ltd.All Right Reserved.